バービー・クロニクル早川書房 刊
発売日 2000-11
価格:¥1,890(税込)
バービー人形の誕生40周年に出版されたこの本は、図録でもなければ、コレクター向けのガイドブックでもない。バービー人形が子供や社会に与えてきた影響に関する見解を、さまざまな執筆者が自由に論じている。そこには、バービーの製造メーカーであるマテル社側は決して認めないであろう、辛辣な意見も掲載されている。バービーは、熱心なコレクターがいる反面、子供には絶対に与えたくないと考える親や識者も存在する。成熟しはじめた女性の性の魅力にあふれ、バストばかりが大きく、現実的でない体型をしているため、子供の精神に深刻な影響を与えかねないという考えがあるからだ。また、バービーの世界には、ボーイフレンドと妹、弟、友人しか存在せず、親の姿はない。これが独善的な人格の形成を助長するという論さえも、アメリカではポピュラーであるという。たしかに、日本のリカちゃん人形に比べるとバービーはセクシーで、おしゃれだ。しかし、それのどこが悪いのか。そう思う人がいれば、そんなバービーに不快感だけを持つ人もいる。また「白人でない」バービーに対するデリケートな問題など、たかだか着せ替え人形ではあるが、彼女が運命的に持たされた問題の根は深い。世界で最も愛され、かつ悪名高きバービー人形。ここまで人を感情的にさせ、かまびすしい議論を煽る人形は、世界中のどこにもいない。それでも彼女は、今日も笑みを絶やさず立っているだけだ。(朝倉真弓)
ポップカルチュアとしてのバービーがわかる唯一の本! 2002-01-28
本書は、1959年に誕生したバービーという子供向けの着せ替え人形が、アメリカの50年代〜90年代の生活史、文化史の中でどう影響を与え、影響を受けてきたのかを論文、あるいはエッセイの共著という形でまとめられたもの。日本ではバービーの研究書がほぼ出版されておらず、ファッションドール、コレクションドールをテーマとした書籍、MOOKSが多い中、唯一、海外の状況がわかる本でもある。バービーの良しも悪しきも書かれているため、ファンとしては読んでいて複雑な心境になるが、理解をより深めたいという方には最適である。また、日本ではあまりおもちゃと児童心理といった研究レポートは一般に紹介されていないが、本書ではその一端も紹介している。
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この記事は2006/10/27に作成しました。

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